東京タワー

初めて東京タワーに登ったのは高校の修学旅行。
それは同時に初めての東京でもあった。
テレビや雑誌でしか知らない東京は、地方都市で生まれ育った私には果てしなく都会で、道を歩くと芸能人に会えると思い込んでいた。

その時に東京タワーの展望台で撮った写真は、青い目のきれいな西洋人のカップルを取り囲んだ少し恥ずかしそうな顔して笑ってる紺色の制服たち。
同級生の誰かが声をかけて、一緒に写ってもらったのだ。
そのカップルがどこの誰だったかはわからないまま。
私たちは東京タワーに登っていること、東京にいることにただ陶酔していた。

二回目に東京タワーに登ったのは、確かMac Expoが幕張メッセで開催されてた頃。
上京してネットの中でしか知らなかった友達達と会って、その翌日に登ったのではないかと思う説と、結婚する前に、当時東京に住んでた兄の部屋に一週間くらい泊まり、東京見物をしていた時に登ったのではないか説。そのどちらかで登ったはずだ。
記憶は蝋人形館しかないけど。

そして今回で三度目の東京タワー。
写真を撮るようになってから初めての東京タワー。
下から見上げて撮りたい。展望台から夕暮れを見たい。
付き合ってくれたのは針穴の友達。一緒に見上げてくれた。
一緒に長い時間夕暮れを眺めててくれた。

お土産屋さんで東京タワーの金色の鉛筆削りを探して買った。
なんでこれかっていうのはユーミンの歌に出てくるから。
三人でお揃いのキーホルダーも買った。心はずっと乙女な私たちなのだ。

夕食を食べてタワーを見ると、赤い色に変わっていた。
これが見たくてこの日にしたの。
なのに赤いタワーの写真はこれだけ。

タワーの近くのホテルに泊まった。
部屋からタワーは見えなかったけど、昨日撮れなかった昼間のタワーの針穴写真を撮るために、翌朝再び東京タワーのそばへ行った。

次はいつ行けるかな。
私の東京、東京タワーへ。